1949年~1966年における父性と家族に関する公的言説 : 雑誌『中国婦女』の分析を通して

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タイトル別名
  • Official Discourse on Fatherhood and the Family 1949-66: An Analysis of the Magazine, Women of China

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抄録

本稿の目的は、1949年から1966年の17年間において、いかに共産主義的イデオロギーと法の変化が、中国共産党のプロパガンダにおいて精巧に作り上げられ、普及されていったかを明らかにすることである。この時代は、ジェンダーの平等が促進され、女性の権利が改善する過程の黄金時代である。1949年から1966年に政府によって発行された雑誌『中国婦女』(1949年~1955年は『中国新婦女』)の264号以上を批判的言説分析の手法を用いて、分析を行った。それによって、筆者は以下のことを見出した。 / 1)同時代の多くの西洋社会と比較して、中国共産党のプロパガンダは、ジェンダー平等と父親による家族内の家事分担を強く主張していた。『中国婦女』は、伝統的家父長制に異議を唱え、父親や夫の役割は、新しく革新的な方法で描かれた。 / 2)当該期のジェンダー役割の描写の変化の元には、男性か女性かに関わらず、全ての国民の関係を「新しい中国」社会に向けて変化させようという道具主義的概念が根本にあった。 / 3)ジェンダー関係の再構成は、それだけに終始するものではなく、生産的効果の向上の手段として、利用された。それは、(大躍進運動の時期の)急進的集団主義と関連していることもあれば、労働の組織化へのより因習的な接近をしていることもあった。このことは、公的なプロパガンダにおけるジェンダー平等のレトリックと、適切なジェンダー役割の描写の間の一貫した相反関係や緊張関係の理由を説明するだろう。

収録刊行物

  • 飛梅論集

    飛梅論集 19 1-17, 2019-03-29

    九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻教育学コース

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649698799872
  • NII論文ID
    120006523679
  • NII書誌ID
    AA11563736
  • DOI
    10.15017/1956634
  • HANDLE
    2324/1956634
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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