<研究論文>モーラン・カドゥー語音韻論の概要

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タイトル別名
  • <Articles>An overview of Molang Kadu phonology
  • モーラン・カドゥー語音韻論の概要
  • モーラン ・ カドゥーゴ オンインロン ノ ガイヨウ

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抄録

本稿では、ビルマ・ザガイン管区・ピンレーブー郡区・モーラン村ではなされるモーラン・カドゥー語について、音韻論の概要を報告する。調査の結果、以下の諸点があきらかとなった。1. モーラン・カドゥー語の音素は/p, pʰ, b, t, tʰ, d, c[tɕ], j[dʑ], k, kʰ, g, ʔ, s, sʰ, ɕ, z, h, m, n, ñ, [nʲ], ŋ, l, w, y, [j];a, i, u, e, ɛ, o, ɔ, ə/である。2. 高声調、中声調、低声調、下降(緊喉)声調の四声調が弁別的であるほか、固有の声調をもたない軽声がある。3. セットー・カドゥー語と比較すると、有声阻害音が音素的になっている点が特徴的である。4. モーラン・カドゥー語の有声阻害音は、一般的には、ルイ祖語に推定される入破音に対応する閉鎖音に由来する。5. 低声調は、一般的には、高声調に後続する中声調が変調した結果、二次的に発生したものである。6. 下降(緊喉)声調は、一般的には、中声調に後続する低声調が変調した結果、二次的に発生したものである。7. 赤タイ語からの借用語については、赤タイ語の低声調は、モーラン・カドゥー語でも低声調で借用される。

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