書誌事項
- タイトル別名
-
- Ishihara Yujiro and the Political Order of the Japan-US Security Treaty : On the Threshold of "Colonial Subjectivity" in Postwar Japanese Cinema
- ニチベイ アンポ タイセイ ト ユウジロウ エイガ センゴ ニホン エイガ ニ オケル ショクミンチテキ シュタイ イシキ ノ リンカイテン オ メグッテ
この論文をさがす
説明
戦後日本映画は、日米安保体制下の日米関係をどのように物語化したか。本稿では、石原裕次郎を対象に上記の問題を考察する。石原裕次郎の主演映画では、「自己の擁護と回復」というテーマが執拗に反復された。このテーマは、安保体制に基づく日本の植民地的状況を舞台にした、「植民地的主体」としての日本と「帝国主体」としてのアメリカとの葛藤を描いたナショナル・アレゴリーに起源があった。一九六〇年代までの裕次郎映画には、この「植民地的主体」意識をいかに認識し、いかに克服するかをめぐる物語的系譜が存在していた。安保改定交渉による日米関係の同等化への政治的試みは、六〇年安保直前の裕次郎映画に、「帝国」アメリカに勝利する「植民地」日本のヒーローを生み出した。しかし、安保闘争の挫折以後の裕次郎映画は、日本はアメリカには決して敵わないという去勢神話を生み出し、徐々に「植民地的主体」を論じなくなってゆく。
収録刊行物
-
- 日本研究
-
日本研究 39 85-118, 2009-03-31
国際日本文化研究センター
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390853649700780160
-
- NII論文ID
- 120005681480
-
- NII書誌ID
- AN10088118
-
- ISSN
- 24343110
- 09150900
-
- NDL書誌ID
- 10247948
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可