都市部団地高齢者の認識するエイジング・イン・プレイスの実態と課題

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タイトル別名
  • Conditions and problems with aging-in place among the elderly living in urban housing complex

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説明

高齢化が急速に進行する団地高齢者が、住み慣れた場所でその人らしく最期まで暮らす(エイジング・イン・プレイス)を実現する上での実態と課題を地域看護診断に基づき明らかにする。高齢化率30%の首都圏A市B区の臨海部C地区の大規模UR(The Urban Renaissance Agency、独立行政法人都市再生機構)団地Dにおいて、人口統計・歴史等に関する既存資料の分析、建物や高齢者の様子を観察する地区視診、老人会メンバー26名へのフォーカスグループインタビューを実施し、これらのデータを質的に分析した。実態として【団地の物理的環境と住民の健康状態が居住継続に影響する】【団地でのエイジング・イン・プレイスの実感がない】【家族によるケアを利用した最期の迎え方にもモデルが存在しない】【団地高齢者の孤立を助長する都市部団地の文化】、課題として【団地でのエイジング・イン・プレイスの支え手育成の必要性】の計5コアカテゴリが得られた。物理的環境・多様な家族関係・個人主義の文化等の都市部団地一般に共通する現状に加えて、便利な立地と住民の経済状態等の地域固有の文脈が高齢住民の孤立を助長する実態も考えられた。また、互助の困難さと必要性が課題として考えられた。地域で働く看護職は、互助活動の育成等の住民のニーズをエイジング・イン・プレイスに関する都市部団地共通の実態と課題を踏まえて、専門的に支援することが重要である。

収録刊行物

  • 横浜看護学雑誌

    横浜看護学雑誌 10 (1), 12-19, 2017-03

    横浜市立大学医学部看護学科・大学院医学研究科看護学専攻

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