日本古代の王権と鷹狩

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タイトル別名
  • The History of Falconry Presided over the Ancient Japanese Royalty
  • ニホン コダイ ノ オウケン ト タカガリ

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抄録

小稿は、日本古代の王権が主宰する鷹狩について概観したものである。王権の鷹狩を支えた養鷹・放鷹官司の変遷について、ヤマト王権の段階の鷹甘部や律令制下の主鷹司・放鷹司を中心に論じた。そのことに関連して鷹狩に従事した鷹飼についても言及し、「尋常の鷹飼」と「猟道を知る親王公卿の鷹飼」の二類型の鷹飼の実態を明らかにしようと試みた。また、鷹狩が行われた猟場である禁野の実態についても触れ、平安時代前期に増加しつつ民業と対立している点を問題とした。さらに『新議式』を素材に、野行幸と呼ばれる犠式としての鷹狩の次第について考察し、鷹狩とセットで実施される出野河海支配を確認する儀礼の重要性を指摘した。その上で、昌泰元年(898) 10月に実施された宇多太上天皇主催の競狩の実態についても考察し、この競狩について醍醐に譲位した後も自身が国政を仕切るという決意の現れであることを指摘した。最後に天皇や上皇の代理で諸国に派遣される狩使についても考察した。

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