大学在学中の私費留学生の時間的展望と「日本留学」の意味

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タイトル別名
  • Time Perspective of Privately Financed International Students in University and the Meaning of Studying in Japan
  • ダイガク ザイガク チュウ ノ シヒ リュウガクセイ ノ ジカンテキ テンボウ ト 「 ニホン リュウガク 」 ノ イミ

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抄録

本稿は私費留学生にとっての「日本留学」の意味を検討するため、彼らの時間的展望を明らかにすることを目的とした。白井(1997)の文章完成法を用いて調査を行った結果、留学生はポジティブな現在指向性を持ち、過去に対する「後悔・無関心」、未来に対する「希望」「目標の実現」という時間的態度は、白井の日本人学生調査結果との有意差が認められた。現在指向は充実感、自己効力感と高い相関があると園田(2003)が明らかにしている。また溝上(2008, 2010)は青年期の自己形成プロセスには他者の承認が不可欠であるが、近年の日本人学生は他者との関係性の中で試す自己形成活動を十分に行っていないと指摘している。以上のことから、日本留学はネガティブな過去をリセットし、日本生活において自分を試し他者から承認されるという、社会との相互作用によって自己効力感が高まり、自己形成が進んでいくプロセスであると捉えられた。

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