原本玉篇の江戸期写本群 : 巻19水部について

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  • Transcribed Copies of Yupian in the Edo Period: Volume 19
  • ゲンポンギョク ヘン ノ エドキ シャホングン : マキ 19スイブ ニ ツイテ

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抄録

日本の古刹に残っていた原本玉篇写本群は、明治初期に黎庶昌・楊守敬が日本に残る古漢籍を『古逸叢書』として翻刻したことで広く注目されるようになった。古逸叢書の収める原本玉篇は、大半は原本ではなく江戸期写本から模刻したものと見られている。しかし、今日確認可能な原本玉篇のデジタル画像やコロタイプ影印と、江戸期写本や古逸叢書を比較すると、現在では失われている部分が見つかる。これらの信頼性を考えるには各写本間の系列を分析することが必要である。本稿では、近年高田時雄氏が新断片を報告した巻19水部について江戸期写本群の状況を調べた。その結果、一部の江戸期写本に見られる誤写が古逸叢書にも見つかった。このことから、古逸叢書における楊守敬旧蔵断片の利用は部分的であり、巻09同様に伴信友本系の江戸期写本を基盤としていることが分かった。

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