ニューカマー高校生の友人関係 : 日本の小中学校での経験に注目して

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タイトル別名
  • Friendship-related Issues of Newcomer Students: Focusing on Experiences in Japanese Elementary and Junior High Schools
  • ニューカマー コウコウセイ ノ ユウジン カンケイ ニホン ノ ショウ チュウガッコウ デ ノ ケイケン ニ チュウモク シテ

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抄録

本稿では、ニューカマー高校生が日本人/外国人と結んでいる友人関係について分析を行った。先行研究からは、日本人/外国人の境界線がニューカマーの子どもたちに抑圧的にはたらくこともあれば、資源にもなりえることが指摘されてきた。よって本稿では、日本の中学校までの経験の中で、ニューカマー高校生が日本人/外国人の境界線をいかに経験しており、それが友人関係とどのように関係しているのかに注目した。事例となったのは、大阪府の特別枠設置高校の生徒たちである。ネットワーク図とインタビューによる調査から得られた結果からは、次のようなことがわかった。まず、ニューカマー高校生たちは、日本人との間よりも外国人同士の友人関係の数が多く、それはかれらによって積極的に選ばれていることがうかがえた。また、日本人から排斥された経験は、日本人とだけではなく外国人とのものを含む友人関係を、少なくする傾向にあった。日本語力の不足といった理由による排斥の経験は、ニューカマー高校生たちに、友人関係一般から距離を取る構えを形成している可能性がある。クラス単位でニューカマーの子どもたちをめぐる関係に介入する手立てが、必要とされる。

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