幼児期における死の概念の発達的変化

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タイトル別名
  • The development of the concept of death in early childhood
  • ヨウジキ ニ オケル シ ノ ガイネン ノ ハッタツテキ ヘンカ

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抄録

本研究の目的は,幼児期における死の概念の発達的変化を実証的に明らかにすることである。3 歳から6歳までの192名の子どもを対象に個別面接を実施し,不動性(死んだら機能が停止する),不可逆性(死んだら生き返らない),普遍性(誰でも死ぬ)の3 つの死の概念に加えて,死後観および死に対するイメージについて調査を行った。その結果,「死んだら生き返らない」という不可逆性の概念は, 4 歳前後から獲得されていること,5 歳から6 歳にかけての時期に,生と死が弁別された表現を使用するようになり,「悲しい」,「イヤ」といった否定的な感情を含めた包括的な理解がとくに進むことが示された。また,死の概念と死後観および死のイメージとの関連を検討した結果,死の概念と死後観との間に積極的な関連はみられなかったが,とくに普遍性と否定的な感情表出との間に強い関連が認められた。この結果から,子どもの死の概念獲得を理解するうえで,感情的な側面が重要な指標となることが明かとなった。

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