ナルシズムに関する一考察 : 現象像・病態像、及び、精神力動論の整理の試み

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of Narcissism : A Discussion on the Phenomenological-Psychopathological Aspects of Narcissism and Psychoanalytical Theories
  • ナルシズム ニカンスル イチコウサツ ゲンショウゾウ ビョウタイゾウ オヨビ セイシンリョクドウロン ノ セイリ ノ ココロミ

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説明

小此木(1981)の指摘にあるとおり、ナルシシズムという概念は現在人の心理を知る上で重要なキーワードの一つである。それは、臨床心理学の分野でも同様である。ただ、改めてこの概念の意味を考えてみると、あまり明確ではないことが分かる。そこで、この概念の整理を図ろうとするのが、本稿の主な目的である。周知のように、この概念は精神分析学の諸学派の中で論じられることが多かった(ReviewとしてRaskin&Teπy1988、上地と宮下1992a)。それゆえ、ナルシシズムは、外部から観察可能な行動特徴や内省により把握可能な心理状態を示すとともに、仮説的な精神分析学的心理力動論とも密接に関連する概念となっている。そこで、まず、この二つの側面を区別することから始めたい。前者は、ナルシシズムの「現象学的、精神病理学的、記述精神医学的側面(以下現象学的・記述精神医学的側面とする)」であり、後者は、「精神分析的、深層心理学的精神力動論(以下精神力動論とする)」である。本節では、まずナルシシズム概念の歴史的な変遷を概観し、問題の所在を明らかにしたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853649735098112
  • NII論文ID
    120004845305
  • NII書誌ID
    AN1055404X
  • DOI
    10.18910/11117
  • HANDLE
    11094/11117
  • ISSN
    13419595
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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