実存的転換の臨床心理学的考察
書誌事項
- タイトル別名
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- A clinical psychological study of existential conversion
- ジツゾンテキ テンカン ノ リンショウシンリガク テキ コウサツ
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説明
本論の目的は、実存的転換のプロセスにおける苦悩の意味を臨床心理学的観点から考察することである。実存的転換とは、危機的状況におかれた個人が、それまでとは異なる世界観・価値観を獲得することによって危機を乗り越えることである。実存的転換のプロセスにおいて特に重要なのは、苦悩を取り除かれるべき不幸として見る視点が転換されることである。.苦悩の体験を通過することによって、人は死すべき運命を背負った人間の限界を認識し、成長や発展を過大評価する英雄主義を相対化する。そして、人間の限界を超えた運命的な力が感じられることで、世界は単に自己中心的・世俗的関心から眺められるのではなく、その根源に神や霊や生命が息づくコスモスとして認識されるのである。実存的転換の例として、難病患者の障害受容とイニシエーション過程における変容が取り上げられる。
収録刊行物
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- 大阪大学教育学年報
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大阪大学教育学年報 3 33-42, 1998-03
大阪大学人間科学部教育学研究室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649735180544
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- NII論文ID
- 120004846318
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- NII書誌ID
- AN1055404X
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- DOI
- 10.18910/12133
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- HANDLE
- 11094/12133
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- ISSN
- 13419595
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles