Seken and Development of Self in Japanese Culture

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Other Title
  • 日本人の自己形成と世間
  • ニホンジン ノ ジコケイセイ ト セケン

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本論文は、日本人の自己の形成・発達に世間がどのように関わっているかを、幼児期と青年期に焦点をあてて考察したものである。日本では、ひとに笑われないように世間なみに行動することが基本的規範になっている。自己が芽ばえる幼児期には、「いい子」であるようなしつけが行われる。「いい子」とは、素直、従順、きちんとしている、辛抱強いなどを特徴とするもので、1大人にとって扱いやすい、"世間の規準からみたいい子"である。日本では内と外が分化しており、外では世間の眼が光っているので、「いい子」でいないと、本人はもちろん家族も世間から笑われ、非難される。そこで、"世間の規準からみたいい子"というアイデンティティを作るべく、自己が形成されると考えられる。青年期と世間との関わりは、社会的比較と対人恐怖という2っの観点から考察される。青年期は自己を再構成する時期であるので、世間の規準から自分が逸脱していないかどうか、世間なみであるかどうかが気になり、それを判断するために、年齢の類似した他者との社会的比較を多用すること、また、対人恐怖症あるいは対人恐怖的心性は、世間の眼を過剰に意識しすぎるためにおこる「世間体の病理」であること、が指摘された。

Journal

  • 大阪大学教育学年報

    大阪大学教育学年報 1 39-48, 1996-03

    Department of Education, Faculty of Human Sciences, Osaka University

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390853649735219328
  • NII Article ID
    120004846825
  • NII Book ID
    AN1055404X
  • DOI
    10.18910/12641
  • HANDLE
    11094/12641
  • ISSN
    13419595
  • Text Lang
    ja
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Data Source
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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