ヴァージニア・ウルフの作中人物に見る神経症的要因 : 『ダロウェイ夫人』と『波』の二作品をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • ヴァージニア ・ ウルフ ノ サク チュウ ジンブツ ニ ミル シンケイショウテキ ヨウイン : 『 ダロウェイ フジン 』 ト 『 ナミ 』 ノ ニ サクヒン オ メグッテ
  • Neurotic Elements in the Characters of Virginia Woolf : An Examination of Mrs. Dalloway and The Wave

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抄録

文学作品に登場する人物たちは、様々な人格、性質、多様な思考を内在するものとして、作家によって創造され表現されてきた。ある者は作家の等身大として、またある者は作家の考えや体験とは全く異質な要素や個性を兼ね備えた人物、つまり作家の一つの想像の糧として従来から作品の中に登場してきたのである。精神科医でまたウルフ研究者でもあった、神谷美恵子氏の「ヴァージニア・ウルフ研究」は精神科医としての氏の科学的な病状診断や文学的解釈の真撃さにおいて大変優れた名著であり、すでにこの著にウルフの病歴と作品の解釈が語り尽くされている感があるが、神谷氏の精神科医としての専門的な視点としてではなく、あくまでも文学的な観点で神経症を表記するようなシーニュを探求し、その解釈を試みたい。

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