液体の帯電現象に関する研究

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タイトル別名
  • Studies on Static Electrification Phenomena of Liquid
  • エキタイ ノ タイデン ゲンショウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

type:Article

The dangerous fire hazard, which is considerd by the ignition of the spark discharge of the static electricity in the treatment of the flamable liquid as gasoline and benzol etc, was reported, frequently. This paper studies the static electrification phenomena of the transformer oil which is circulated by the gear pump through the filter press, as the fundamental research on the electrification by the fluid friction.

周知の如く可燃性の非電導性固体,粉体,液体はその生産又は処理工程において静電気が発生し,種々の障害を惹起し又放電火花による引火災害所謂Mysterious fireが多くなる傾向がある。筆者はかつて〓(土へんに圭)化石灰粉を中心として各種粉体の摩擦帯電現象について実験し,帯電による爆発の可能性は充分起りうるという結論を得た。液体については,この種原因と認められている公知のものには,25年3月九州某工場でベンゾールタンクにベンゾールを圧送作業中におけるタンクの爆発,28年8月静岡市某ガソリンスタンドでドラム缶からガソリンを地下タンクに補給作業中の引火災害,29年11月浜松市某ガソリンスタンドでピニールホースによるガソリン補給中の引火火災,又34年5月勝山市某ガソリンスタンドでタンクローレイより地下タンクに給油中の引火火災等があり,小被害を加えると相当頻出していると指定され近時可燃性液体の処理工程の量産と普及に伴い,この種放電火花による災害が益々多くなる傾向がある。液体が流動する際,その比抵抗が10^<11>Ωcm以上では帯電するが,10^9Ωcmでは漏洩のため帯電は認められないと云われるので,本実験に用いた液体にはガソリン,ベンゾールの如き可燃性液体は引火の危険があるので,便宜上変圧器油を用い,給油装置として加圧式濾過機を使用し,その流動摩擦による帯電現象を究明する第一歩として行った実験で,本報告はその測定の経過概要である。

identifier:富山大学工学部紀要,11(1/2)

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