硫酸焼鉱の脱銅 : 塩素ガスによる塩化焙焼法

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  • Study on Pyrite Cinder : On the Chlorination of Pyrite Cinder by Chlorine Gas
  • リュウサンショウコウ ノ ダツドウ

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抄録

type:Article

To improve the dicopperization of pyrite cinder, we must study the gas chlorination followed with the leaching of acid solution. This method wi1l be a ble to recover cobalt, thallium and other rare metals with high percentage. Chlorine being mixed with air was obtained a good result of chlorination about 500--700℃, and followed with leaching. We get a copper cantent of dicoppcrized iron ore of 0.023--0.06%. Chlorine consumption of these process was very low and the temperature of heating is not so high, we may say a method of the treatment of pyrite cinder. By the study of automatic-recording X ray deffractometer, the iron ore produced was hematite mixed with small amounts of magnetite.

硫酸焼鉱の脱銅法として従来日本では(a)再焙焼して浸出するか(b)そのまゝ水又は硫酸で浸出する方法が広く行われているが,英,仏,独では(c)塩化焙焼法が広く用いられており,それによれば副産物としてコバルト,銅のみで無く稀元素迄も全回収しているから,処理費はこれ等で充分償われている。此の2つの脱銅法を比較してみると,(a)(b)法は(c)法より脱銅率は高いが,Coその他稀元素の回収率が少し低い欠点があるが,現在の様な簡単な前処型で高炉に入れている時代では,後者に比べて遥かにまさっていると考える。然し製鉄作業が進み,材料に対する規格が厳しくなり,純良品を高炉に入れる時代になると,今の(a)の方法を改良するか,或は工業塩の高価なわが国のことであるから,又一歩進んだ脱銅法を選ばねばならないことになる。これ等の事から著者等は塩素ガスによるガス塩化焙焼法を研究する事とした。塩素ガスは供給も豊かで,又その塩素化する能力も強く,比較的低い温度で塩素化反応が進む特長がある。この様にして塩素化したものを稀酸で浸出して残留塩化物を脱銅鉄鉱から除き,之を製鉄に使うが,これは残留塩化物が炉中でCl_2を出し,炉に障害を与えることを考慮に入れたためである。本方法はこれ等の事から硫酸焼鉱中の銅化合物を比較的低温で塩素で塩化物に変え,又はそのガスに空気を混じて鉄の塩化を防ぎつゝ塩化し,稀酸で浸出して最良の塩化温度を定めた。叉石英スプリング熱天秤で,銅化合物の塩化を調べ,次に脱銅鉱の自記X線による研究を行ったものである。

identifier:富山大学工学部紀要,12(1/2)

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