書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on Generating Method of Hypoid Gear Tooth : 1st Report. Group of Gear Axis with a Common Instantaneous Axis
- ハイポイド ギヤ ハガタ ノ ソウセイホウ ニカンスルケンキュウ 1 キョウツ
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説明
type:Article
As the first step of basic studies about generating hypoid gears, this paper describes on the field of relative velocity around the instantaneous axis which becomes the basis of tooth contact generating motion and clarifies their kinematic relationships.The main results are as follows: The characters of common instantaneous axis depend on the position, the direction and the lead of screw motion. The offset and the lead of the intermediary gear are limited and the pure rotary motion can not be expected among them, except a pair of hypoid gear.Furthermore, when we consider the another hypoid gear which corresponds to a crown gear of bevel gear, it has been made clear theoretically that they are just herical segment.
近代工業は目ざましい技術革新の時代を迎えて,研究開発競争も日を追ってその激しさを増している。こうしたときに,いまさら歯車歯形論でもあるまいとも考えられるが,いまや電算機の急激な進歩にともなって,あらゆる分野における基礎理論の深さがあらためて問い直されるようになってきたのである。すなわち,研究開発速度をさらに早めるためには,研究開発あるいは実験の分野をできるかぎり電算機に肩代わりさせる傾向が顕著になっている。このため,現実の現象に対しては,より厳密性の高い新しい理論の追求はもとより,過去の複雑な経験的ノウ・ハウをも包含できるような基礎分野の確立が急務と考えられるようになったからである。このようにして深い背景を目指した研究は今後ますます重要となり,同時に試行錯誤的な実験は必要最小限にとどめて,研究開発期間の縮小と開発経費節減を同時に達成しようとする気運になってきた。ハイポイドキヤに関する技術に関しては,今日の歯車としては飛躍的に進歩した内容をもっているが,その反面非常に多くの経験的ノウ・ハウが存在する。さらに驚くべきことには技術的専門家の間にすら,その創成加工法に対しては,いまだに多くの推定や慣習が見受けられることである。さて,まがりばを有するハイポイドギヤを始めて設計し,加工したのはE.Wildhaber氏であった。同氏は1925年当時すでに創成用ピッチネジ面を考慮した線接触のものをえようと努力している。同氏はその詳細な理論を1946年にいたって発表したが,その中ではハイポイドギヤの基礎理論が独特な方法で展開されている。この理論は同氏以外には理解されないといわれるほど難解なものであって,1949年にはnancy大学のM.J.Capelle氏も創成用ピッチネジ面の拡張を試みたが,Wildhaber氏のいくつかの結論を誘導することにとどまっている。近似的なものとしてはLindner博士が,特殊円スイホブを使用したKlingelnberg法によってある程度成功し,またF.Rochat氏もOerlikon歯切盤による近似法を案出している。しかし当時Rochat氏は,線接触するハイポイドギヤが理論的にありえないという見解をもっていたようである。その後Baxter氏やLitvin氏によるベクトル解析により計算方式はきわめて具体的な進展を見せ始めた。わが国においては,1938年に谷村氏が一般的食違い軸歯車に関する最初の論文を発表している。同氏は始めて歯車理論に二元ベクトルを導入し,また歯形曲面の曲率や干渉まで論じたが,接触線の軌跡面にこだわりすぎたきらいがある。戦後には前田博士による非可展線織面や,松山博士による可展線織面を歯形曲面とする食違い軸歯車の研究などがあり,直線のstudyの座標を使って整然とした理論を展開している。さらに酒井博士は機構学的に研究して,ベクトル解析による食違い軸歯車の若干の性質をあきらかにしてきた。しかしこれらの論文は,いずれも現実のハイポイドギヤの多くの問題点や歴史的ノウ・ハウの解明にとってあまりにも大きなへだたりが見受けられ,現実とははるかに遊離しているのは,それらが単なる微分方程式の提案に終始したからではあるまいか。本研究は,ハイポイドキヤに関する基本的理論をより深く追求することにより,その歯形創成方式を確立し,さらに合理的な方式を導き,理想的な歯当たりがいつでも得られるような背景と,その方法の具体化を目標とするものである。
identifier:富山大学工学部紀要,32
収録刊行物
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- 富山大学工学部紀要
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富山大学工学部紀要 32 33-43, 1981-03
富山大学工学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649737031808
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- NII論文ID
- 110000292764
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- NII書誌ID
- AN00175872
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- ISSN
- 03871339
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- NDL書誌ID
- 2308538
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
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