大分県日田市方言における「-てから」の用法 : 「-て」「-きー」「-けんど」「-けどが」との比較をとおして
書誌事項
- タイトル別名
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- オオイタケン ヒタシ ホウゲン 二オケル テカラ ノ ヨウホウ テ キー ケンド ケドガ トノ ヒカク ヲ トオシテ
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説明
本稿では、類義形式「-て」「きー」「-けんど」「-けどが」との比較をとおして、日田方言の「-てから」の用法を記述した。その結果、以下のことが明らかになった。1) 日田方言の「-てから」は、標準語の「-てから」よりも用法が広い(1節;3節)。2) 相対的に見て許容度が低い付帯状態と並列は、日田方言の「-てから」にとって周辺的な用法である(4.1節; 5.3節)。3) 日田方言の「-てから」は、付帯状態、手段・方法、同時、開始時点、原因・理由、並列の用法において、「-て」と同様に用いられる。ただし、それぞれの用法における許容度は一定ではなく、付帯状態と並列においては「-て」の方が、開始時点においては「-てから」の方がより適格である(4節; 5.1.1節; 5.1.3節; 5.2.1節; 5.3節)。また、手段・方法、同時、原因・理由においては、「-てから」の方がより自然に感じられる。4)日田方言の「-てから」は、原因・理由の用法において、「-きー」と同様に用いられる。ただし、両者は終助詞的な用法の有無で異なる。「-きー」が終助詞的に用いられるのに対し、「-てから」はそうした用法を持たない(5.2.1節)。5)日田方言の「-てから」は、譲歩の用法において、「-けんど」「-けどが」と同様に用いられる。ただし、両者は終助詞的な用法の有無で異なる。「-けんど」「-けどが」が終助詞的に用いられるのに対し、「-てから」はそうした用法を持たない(5.2.2節)。
収録刊行物
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- 阪大社会言語学研究ノート
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阪大社会言語学研究ノート 8 89-100, 2008-03
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649738994816
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- NII論文ID
- 120004945479
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- NII書誌ID
- AA11555159
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- DOI
- 10.18910/23211
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- HANDLE
- 11094/23211
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles