「真の笑顔」と「偽の笑顔」の違い : 動きの順序が他者の情動認知に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • The differences between True smile and False smile : The sequential differences affected emotion recognition
  • シン ノ エガオ ト ニセ ノ エガオ ノ チガイ ウゴキ ノ ジュンジョ ガ タシャ ノ ジョウドウ ニンチ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

原著

情動を示す表情の中でも、我々がもっとも目にする表情である笑顔の真偽を正確に検出することは、社会的生活を営む上で重要である。そこで我々は、本当に楽しい時に生じる「真の笑顔」と意図的に作成した「偽の笑顔」の動きの順序の違いに注目して、2種類の笑顔に対する観察者の認知判断の差異を検討した。表出者の体験に関する観察者の認知判断は、快-不快、覚醒-沈静といった2つの次元で理解する次元的な評定と、観察者に自由に記述させる回答の2種類の方法により、包括的に検討した。その結果、次元的な評定においては、「真の笑顔」が「偽の笑顔」よりも快次元の評定値が高くなった。さらに自由記述回答に関しては、「偽の笑顔」の方が「真の笑顔」より“作り笑い”と判断されることが多かった。これらの知見から、笑顔の動きの順序が異なれば、観察者はその笑顔の表出者の内的状態に関して、異なる認知判断を行うことがわかった。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 17 45-51, 2017

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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