存在論的恐怖が集団成員への利他行動に及ぼす影響 : 集団同一視・集団透過性に着目して

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タイトル別名
  • Mortality salience and altruistic behavior : Focusing on group identity and group permeability
  • ソンザイロンテキ キョウフ ガ シュウダン セイイン ヘノ リタ コウドウ ニ オヨボス エイキョウ シュウダン ドウイツシ シュウダン トウカセイ ニ チャクモク シテ
  • ソンザイロンテキ キョウフ ガ シュウダン セイイン エ ノ リタ コウドウ ニ オヨボス エイキョウ : シュウダン ドウイツシ ・ シュウダン トウカセイ ニ チャクモク シテ

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抄録

原著

集団においては他成員に対して利他的に振る舞うことが望ましく、人々が利他的に振る舞うことができるような集団環境を検討することが重要である。先行研究では、集団同一視が高いほど集団成員に対して利他行動を多く行うことが示されている。本研究では、集団同一視が低い成員は、存在論的恐怖(死の恐怖)が生じた際、集団透過性(集団境界の透過可能性)が低い場合において利他的に振る舞うようになる可能性を検討した。質問紙実験の結果、集団同一視および集団透過性が低い場合に存在論的恐怖が顕現化すると、顕現化しない場合よりも利他行動の提供意図が高くなることが示された。したがって、集団同一視が低い成員は集団から離脱することが難しい場合に限り、存在論的恐怖への対処として利他的に振る舞うという戦略を採用している可能性が示された。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 18 71-75, 2018

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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