発達段階における親子間の身体接触に関する研究 : 日韓の幼稚園児と小・中学生の両親からの報告を中心に

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タイトル別名
  • Touching behaviors among parents and children at different developmental stages : Based mainly on the reports by Japanese and Korean parents
  • ハッタツ ダンカイ ニ オケル オヤコカン ノ シンタイ セッショク ニ カンスル ケンキュウ ニッカン ノ ヨウチエンジ ト ショウチュウガクセイ ノ リョウシン カラ ノ ホウコク ヲ チュウシン ニ
  • ハッタツ ダンカイ ニ オケル オヤコ カン ノ シンタイ セッショク ニ カンスル ケンキュウ : ニッカン ノ ヨウチエンジ ト ショウ ・ チュウガクセイ ノ リョウシン カラ ノ ホウコク オ チュウシン ニ

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抄録

原著

本研究では、幼稚園期から中学生期までの発達段階ごとに、親子間の身体接触度合いの推移を考察し、発達段階別の身体接触行動の日韓差を検討した。日本の関西地方の幼稚園児と小・中学生(計520名)の両親と韓国のソウル市と大邱市の幼稚園児と小・中学生(計577名)の両親を対象に質問紙調査を行った。分散分析の結果、幼稚園期と中学生期において,韓国の方が日本より身体接触度合いが高かった。小学生期は、両国の両親はほぼ同程度の身体接触を用いながら子供を養育しているが、中学生期には日韓の間で身体接触行動にとりわけ大きな変化が見られ、日本では親から子供への身体接触が急減するという結果が示された。このような結果は中学生本人への調査結果からも裏付けられた。中学生期は自我の発達が著しい発達段階であることを踏まえると、この期における日韓差は身体接触に対する文化規範の内在化の現れであると解釈できる。なお、先行研究(曺・釘原, 2017)で示された大学生の回想による発達段階ごとの接触経験度と、各々の発達段階の子供を持つ両親の現在の接触経験度は、日本の男子大学生を除けば概ね一致しているといえる。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 18 103-111, 2018

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

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