柿由来タンニンによるβ-ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌に対するペニシリン系抗生物質の抗菌活性増強効果

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タイトル別名
  • Enhancement effects of antimicrobial activities of β-lactam antibiotics by combination with persimmon tannin against β-lactamase-producing Staphylococcus aureus
  • Enhancement effects of antimicrobial activities of ベータ lactam antibiotics by combination with persimmon tannin against ベータ lactamase producing Staphylococcus aureus

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説明

背景 β‐ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌は、多くのβ‐ラクタム系抗生物質に対して耐性である。更にこの細菌においては、スルバクタムやタゾバクタムのようなβ‐ ラクタマーゼインヒビターと、β‐ラクタム系抗生物質を組み合わせて用いても、効果を示さないインヒピター耐性菌も出現している。β‐ラクタマーゼ産生細菌による感染症に対し、新しい治療薬や治療方法の開発が急務となっている。 目的 柿由来タンニンが、β‐ラクタマーゼ産生細菌に対する新しい医薬品となる可能性について検討を行うため、同タンニンのβ‐ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性、並びに同タンニンの同細菌に対する、β‐ラクタム系抗生物質の抗菌活性を増強する効果について解析を行った。 方法 柿由来タンニンの抗菌活性およびβ‐ラクタム系抗生物質の抗菌活性増強効果は、MIC (minimuminhibitory concentration) 法を基にしたMBC(minimum bactericidal concentration) 法で試験した。また、柿由来タンニンのβ‐ラクタマーゼに対する活性阻害効果に関しても、同様にMBC法で試験した。 結果 β‐ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌に対してほとんど抗菌活性を示さなかったβ‐ラクタム系抗生物質が、柿由来タンニンと併用することで顕著な抗菌活性を示した。この効果は、同タンニンによるβ‐ラクタマーゼの活性阻害効果によるものであることが、強く示唆された。 結論 柿由来タンニンは、単独あるいはβ‐ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いることにより、β‐ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌による感染症に対して、高い安全性と有効性をもった新しい医薬品や治療方法の開発に結びつく可能性が期待される。

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