子宮頸がん検診の受診行動への影響因子と受診率向上に向けた取り組みに関する文献検討 (研究ノート)

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  • シキュウケイ ガン ケンシン ノ ジュシン コウドウ エ ノ エイキョウ インシ ト ジュシンリツ コウジョウ ニ ムケタ トリクミ ニ カンスル ブンケン ケントウ

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抄録

背景 我が国における子宮頸がんの罹患者は20~40歳女性で増加している。この年代は生殖年代であるため、妊孕性・妊娠・分娩への影響が危惧されている。しかし、我が国の子宮頸がん検診の受診率は低く、特に20歳代女性の受診率の低さが問題となっている。したがって、リプロダクティブヘルスの観点から、若い女性の子宮頸がん予防が重要であり、この年代の受診率向上が喫緊の課題となっている。 目的 我が国における20歳代女性の子宮頸がんおよび検診の認知度、検診に対する思い、受診行動への影響因子、また、受診率向上に向けた取り組みに関する既存研究を概観し、分析することである。 方法 医中誌Web、CiNii Article、PubMed、CINAHLを検索して、過去10年間の子宮頸がんおよび検診の認知度、検診に対する思い、受診行動への影響因子、受診率向上に向けた取り組みに関する計33文献を抽出し、その内容を検討した。 結果 20歳代女性の子宮頸がんおよび検診の認知度は低く、検診の受診意欲は高いが受診行動には結びついていなかった。検診の受診・未受診理由や受診行動への影響因子が明らかになってきており、その結果に基づいて受診率向上に向けた取り組みも行われ始めている。しかし、検診の受診という行動変容まで効果がみられた取り組みは、無料クーポン券の配布および受診勧奨プログラムの実施のみであった。 結論 20歳代女性の認知度の向上には、若い年代に合った情報提供ツールの検討や、学校における10代からの子宮頸がんに関する教育が必要である。受診行動への影響因子は明らかになってきているが、効果的な取り組みは少ない。認知度を向上させ、検診の受診意欲を行動変容へ繋げるために、検診の利点が羞恥心などの検診の障壁を上回ることを周知させる取り組みが必要である。

identifier:http://usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/handle/11355/213

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