地域住民の防災に関する意識とニーズ

書誌事項

タイトル別名
  • Attitudes and needs of community residents against disaster prevention
  • チイキ ジュウミン ノ ボウサイ ニ カンスル イシキ ト ニーズ

この論文をさがす

説明

要旨 住民の防災意識および災害時のニーズを把握する目的で、A市B町自治会所属の住民に対して質問紙調査を実施した。全224世帯中、121世帯(54.0%)から回答を得ることができ、有効回答数は118(52.7%)であった。調査の結果、「自助」の観点からみると、防災用品などの準備に関する意識は高いが、家庭内や近隣とのリスクコミュニケーションに関する意識が低い傾向にあった。住民相互のリスクコミュニケーション活動が促進されるように働きかけていく必要がある。次に、「共助」の観点からみると、調査対象地区の自主防災組織は活動を休止しているが、住民の約半数がその存在を認知していなかった。また、近隣の避難行動要支援者の避難支援方法について話し合ったことが無いという回答が約7割を占めた。しかし避難行動要支援者など、助けが必要な住民に対する共助の意識は根付いていると考えられたため、住民が主体的に取り組める共助の活動を実践できるような働きかけが必要であると考えられる。さらに、「公助」の観点からみると、災害対策や防災に関して住民が県や市町村に望むことは、「情報提供」であることがわかった。災害に関する情報提供の仕組みや、情報の解釈の仕方などについて、住民が学習し、情報を得て自律的に行動できる力量を獲得していく必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ