ペルシア語の品詞分類における語の柔軟性と曖昧性について

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  • Ambiguity and Flexibility of Persian Word Class
  • ペルシアゴ ノ ヒンシ ブンルイ ニ オケル ゴ ノ ジュウナンセイ ト アイマイセイ ニ ツイテ

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ペルシア語における自立語の品詞には、名詞、形容詞、副詞、動詞、代名詞、前置詞、後置詞、指示詞、接続詞等がある。品詞を変える語形成には、接辞による場合、前置詞による場合、そして語形が変化しない場合がある。形態的な特徴を持つ語が少なく、形態論の観点からペルシア語の品詞分類を行うことは難しい。また、形態的な特徴を持たない語は、文外でどの品詞に属するか識別が困難である。これらの語は文中で使われて初めて品詞が決まることになる。ペルシア語では語形変化しない語は形態的な特徴に欠けており、文中における意味的な側面からの区別が重要となる。形式的に名詞でありながら形容詞や副詞の性質を備えていて、複数の品詞としての機能を兼備している語がある。また、名詞に接尾辞が付加して派生する語に形容詞と副詞の機能が同時に備わっていることもあり、形式的制約や意味的な不規則性が多く存在する。さらに、動詞のなかでも名詞的な特徴を有する動詞の不定形、脱範疇化して機能語化している軽動詞のkardan (to do)、šodan (tobecome)、nemudan (to do)、gaštan (to turn, to become)、gardidan (to become)が意味的にある程度イディオム化しているため、統語的には一般動詞と同様には扱えない。感情動詞の品詞分類の上でのミスマッチも多く存在する。本稿では、ペルシア語の品詞分類にまつわる上記の問題を取り上げ、ペルシア語における品詞分類のミスマッチを明らかにしたい 。

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