<原著>当科におけるビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死患者の臨床的検討

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目的:ビスフォスフォネート製剤の投与の経験がある患者において歯科処置後にビスフォスフォネート系製剤関連顎骨壊死(Bisphosphonate related osteonecrosis of jaw; BRONJ)が報告されている。我々は顎骨壊死の予防あるいは治療のために,山梨大学医学附属病院 歯科口腔外科に紹介された患者の口腔内の状況を調査した。対象および方法:2008年4月から2012年3月までに当科に紹介された36 ~ 98歳(男性8 人女性11人)の患者19例の口腔内の状況を調査した。結果:BRONJステージは,ステージ0が13例と最も多く,ステージ2が5例,ステージ3は1例,ステージ1は0例であった。投与されていたBP製剤の種類は第二世代のアレンドロネート,第三世代のリセドロネート,ゾレドロネート,ミノドロネートが使用されており,投与経路は経静脈内投与が4例,経口投与が15例であった。併用薬剤にはステロイドを服用していたものは10例,抗癌剤を使用していたものは5例あった。起炎菌としては口腔内常在菌のα -Streptococcusが最も多かった。結論:今回の調査では,ステージ0が最も多かった。BRONJ発症患者には複数の併用薬剤による影響も考えられた。BRONJ発症の予防には,BP製剤の投与開始前に行う口腔内の感染源除去や,投与開始後の口腔内保清の徹底が有効と考えられる。

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