書誌事項
- タイトル別名
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- <症例報告>全生活史健忘の一症例
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抄録
全生活史健忘を呈した38歳の男性例を報告した。病前の社会適応は比較的良好であったが,離婚,生活の破綻. 自殺企図,失業,再就職,出向,病気,怪我といった葛藤が長期間にわたり持続する状況に置かれた末に遁走と全生活史健忘を呈した。完全回復に先行する部分健忘期において,自己の家族構成について歪曲された生活史の想起がなされた。本例と筆者が以前に経験した症例や文献報告例を比較し,全生活史健忘における自己同一性の変化について考察した。自己の生活史の清算,新しい自己の再生といった意味を全生活史健忘が持ち得ることを報告した。また,健忘が時に自殺の代理症として出現し,自殺に対する防衛機制として機能し得ることについても言及した。
収録刊行物
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- 山梨医科大学雑誌
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山梨医科大学雑誌 2 (3), 119-123, 1987
山梨医科大学医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853649747039744
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- NII論文ID
- 110000499824
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- NII書誌ID
- AN10044054
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- ISSN
- 09120025
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles