都道府県レベルのTFP成長率と研究開発活動の統計的検討 : 地域イノベーションの創出環境に関する予備的分析

書誌事項

タイトル別名
  • Statistical analysis of TFP and the R&D activity in Japanese prefecture : a preliminary analysis of conditions of creating regional innovation
  • トドウフケン レベル ノ TFP セイチョウリツ ト ケンキュウ カイハツ カツドウ ノ トウケイテキ ケントウ : チイキ イノベーション ノ ソウシュツ カンキョウ ニ カンスル ヨビテキ ブンセキ

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抄録

査読付き研究ノート:Refereed Notes

研究の概要(和文):我が国では、地域経済の競争力を高めるために、地域イノベーションの創出が重要な政策課題となる。先行研究によれば、地域イノベーションの創出には、企業や大学・研究機関による研究開発活動の重要性が指摘されている。これまでのところ、イノベーションのアウトカム指標である全要素生産性(TFP)の成長率と企業の研究開発活動に関する実証的分析が進むが、TFP 成長率と地域の研究開発活動との関係性を検討した論考は少ない。そこで、本論文は、今後地域イノベーションの創出状況を定量的に把握し、その創出を促進させる環境条件を計量的に検討するために、都道府県レベルでのTFP の計測と研究開発活動との関係性を予備的に分析したものである。地域経済の成長をけん引する製造業に注目し、都道府県別産業生産性データベース(R-JIP 2012)と研究開発・イノベーション・生産性データベース(RDIP)を用いてTFP およびTFP 成長率を推計し、地域の研究開発活動に関する指標との相関分析を行った。今回の分析結果から、(1)企業の研究開発ストックの蓄積とTFP の上昇との間で弱い正の相関関係があった、(2)研究開発活動のインプット指標とTFP 成長率との間には相関関係が認められなかった、(3)大学・公的機関の研究開発集約度とTFP 成長率との間で弱い負の相関関係が示されたという3 点が分かった。

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