フェンシング選手におけるコンディショニングと柔軟性テスト : 教育的指導に配慮したセルフコンディショニングの成果

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タイトル別名
  • Conditioning and flexibility test in the fencer : Result of educational self-conditioning

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説明

本研究では、大学フェンシング部のシーズンオフ中のセルフコンディショニングの効果を柔軟性テストによって検討した。柔軟性テストは、踵臀間距離(HBD)、指椎間距離(FVD)、下肢伸展拳上角度(SLR)、体幹捻転膝床間距離(TOT)、足関節背屈角度(AJD)の5項目を用いて、次のような結果が得られた。すなわち、FVDの検討から、肩周辺の筋群に対するコンディショニングは自主的に行える可能性が高いと推察された。しかし、HBD、SLR、TOT、AJDに有意な改善は認められず、本研究の被験者に関しては、フェンシングにおいて重要な下肢筋群のコンディショニングを自主的に行うことが困難であった可能性が示唆された。また、HBDの評価は低く、被験者らはさらなる改善に努める必要性のあることが認められた。本研究の結論として重要な点は、AJDの有意な減少、SLRおよび TOTに変化がみられなかったそれぞれの理由として、強化トレーニングによって生じた極めて高い筋疲労を、介入したコンディショニングのみでは解消できなかった可能性が高いことである。柔軟性テストはこうした筋疲労の評価を行い、選手のセルフコンディショニングを促し、傷害を予防するためにも重要な観点であることが示唆された。

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