パリ協定以後の気候変動政策と中国の動向 : 日系企業への影響を事例として

書誌事項

タイトル別名
  • パリ キョウテイ イゴ ノ キコウ ヘンドウ セイサク ト チュウゴク ノ ドウコウ : ニッケイ キギョウ エ ノ エイキョウ オ ジレイ ト シテ

この論文をさがす

説明

2015年に採択されたパリ協定は,気候変動政策における中国の存在感を国際社会に強く印象づけるものだった。世界一の二酸化炭素排出国であり,長い間深刻な大気汚染問題に直面してきた中国が,パリ協定を大きな契機として気候変動政策に積極的に取り組む姿勢を示したことは,国際社会からも歓迎され,その成果が期待されている。本稿では,そのような現状に鑑みて,中国の気候変動政策の動向に焦点を当て,日系企業への影響を事例として,その公共政策としての特質を検討した。その結果,中国の気候変動政策は「権威的環境主義」をモデルとするがゆえに,政策のアウトプットを迅速に生み出すことには優れているが,アウトプットを低炭素社会の実現という政策の最終目標としてのアウトカムにどれほど近づけ得るかについては,「民主的環境主義」モデルと同様不透明であること,日系企業も含めて現在中国の産業界はアウトプットを生み出すために様々な規制の影響を受けているが,産業界にもアウトプットをアウトカムに近づける経営戦略が求められていることが明らかになった。また,そのためには,中国においても環境経済社会学の視点から気候変動政策の動向を読み解くことが今後ますます重要な課題になっていることを指摘した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ