九州大学教養部学生の体力及びスポーツ行動

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タイトル別名
  • On the Physical and Psychological Characteristics of New Students in Kyushu University
  • キュウシュウダイガクキョウヨブガクセイノタイリョクオヨビスポーツコウドウ
  • キュウシュウ ダイガク キョウヨウブ ガクセイ ノ タイリョク オヨビ スポー

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抄録

昭和54年度入学学生を対象として体力・体組成及び体育・スポーツに対する態度と行動について分析してきたが,つぎのように要約することができる。1)体カテストの結果,昭和40年代初期と50年代との比較により,反復横とび,垂直とびには大きなTime lagが認められた。2)反復横とび,垂直とびなどでは,男女いずれについても入学時18才の者の体力が,19才以上の者よりすぐれていることがわかった。3)身長は男子170cm,女子156cm,体重は男子60kg,女子48.9kgとなり,大型化の傾向がある。4)%Fatは男子19才以上,非運動部員で最も高く,18才,運動部員で最も低かった。5)二元配置分散分析には体重と体表面積に年令効果,%Fatにクラブ効果がみられたが,他の変量には交互作用も含めて有意な効果は認められなかった。6)運動に対する態度は認知,快的感性,非行為的傾向的成分では8〜9割が好意的であったが,不快的感情及び行為傾向的成分では好意度が低かった。女子に運動嫌いが多かった。7)体力に自信のある者は少なく,現状に不満足な者が多く,体力の重要性は男女とも9割の学生が認めていた。体力のイメージには健康的とする者が多く,そのほか忍耐力がある,生き生きしている,行動的である,とする者が男女とも多かった。8)体育実技の必修制については8〜9割が肯定的で,「1・2年必修,3・4年選択」については4割が肯定的であった。本学の学生は体育実技の回数の少なさを指摘する者が多かった。実技コースの希望では,スポーツコース及び野外活動コースが多かった。9)高校時代のスポーツ活動やサークル所属は男女とも高学年になるにしたがって減少し,大学になって再び多くなっていた。しかし,大学での運動量は少ない者が男子は3割,女子は6割と多く,女子学生の運動の少なさが指摘できた。また、サークルの所属傾向は他大学に比較して多く,体育系には男女とも3〜4割が所属していた。10)スポーツ活動,スポーツ大会への参加,体育実技への出席,教養部在学中の体カトレーニングなどに対する行動意図は男子が高く,女子が低かった。附記 本稿の企画は徳永・多々納・吉川・小室が担当し,測定・調査は保健体育学教室全員が実施した。集計は吉川,執筆は「体力・体組成」については吉川,それ以外は徳永が分当した。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 3 153-164, 1981-03-30

    九州大学健康科学センター

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