子宮頸癌患者のQOLに関する予備的研究

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  • 加耒 恒壽
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 平野(小原) 裕子
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 平川 俊夫
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kyushu University Graduate School of Medical Sciences
  • 野口 ゆかり
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 平田 伸子
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 新小田 春美
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 北原 悦子
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 大池 美也子
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 大喜 雅文
    Department of Nursing, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyushu University
  • 尼田 覚
    Department of Obstetrics and Gynecology, Kyushu University Graduate School of Medical Sciences
  • 斎藤 俊章
    Department of Gynecology, National Kyushu Cancer Center

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Quality of Life for Uterine Cervical Cancer : Preliminary Study for Development of a QOL Scale.

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説明

子宮頸癌患者の治療成績は生存率や薬物療法に対する治療効果により評価されてきたが,患者自身が感じる生活の質(Quality of Life)も合わせて評価することが重要視されてきた。医学・助産学・看護学等各研究者が集まってK-J法を用い,性生活に関する項目や,術後の排尿・排便障害に関する項目,さらに女性らしさに関する項目に従来から一定の評価をされている調査票も参考にして身体機能,人間関係,心理,社会機能,経済,医療,健康観,全体的健康観,活力を加えた124尺度項目を抽出した。これらの項目は,wordingの過程で計28項目に絞られた。QOL尺度の外的基準を測定する項目はPerformance Status,臨床進行期,治療方法,排泄障害の有無であった。データはSPSS10.0Jで単純集計,スピアマンの順位相関係数を用いた。また,信頼性係数にはアルファを用いた。本研究は文部科学省,厚生労働省から告示された「疫学研究に関する倫理指針」(平成14年6月17日)を遵守して遂行された。QOL27項目の内的整合性を検討するためにCronbachのα係数を算出したところ,α=.85であり,内的整合性が高かった。次に,QOL項目の基準関連妥当性を検討するために,それぞれ外的基準としての設問項目との相関をみた。その結果,CES-D自記式抑うつ尺度との間に強い負の相関(r=.-657,p<0.01)があった。QOL尺度項目は,項目間の相関などを加味し,一定の方向性の見られない4項目を削除し,計24項目を採用した。24項目の因子分析の結果,因子の数は5であり,QOLの多面性が示唆された。子宮頸癌に関してのQOL評価のための調査項目の設定を目標とした本研究では疾患の特徴に注目し,性生活に関する項目や,術後の排尿・排便障害に関する項目,さらに女性らしさに関する項目を加え調査票を作成した。今回作成した子宮頸痛患者のQOLに関する調査項目は信頼性と妥当性をクリアし有用性が高いと思われるが,さらに新たな調査項目を加え再調査し,より完成度の高い調査票を作成して,子宮頸癌患者に対して経時的,横断的にQOL評価の調査を行って,患者自身が感じる生活の質(Quality of Life)の評価も子宮頸癌患者の治療効果の評価に取り入れていくことにより,治療効果をより多角的に捉え,今後の癌治療に活かされることが望まれる。

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