The Lifestyle and Daily Stresses of Filipino Migrant Workers :A Survey on Church Attendants in Greater Tokyo and Greater Seoul Area

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  • Lifestyle and Daily Stresses of Filipino Migrant Workers A Survey on Church Attendants in Greater Tokyo and Greater Seoul Area

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抄録

本研究は,日本と韓国におけるフィリピン人労働者のライフスタイルおよび日常生活ストレスを比較することを目的で行われた国際比較調査である。本調査の研究対象者は,東京およびソウルにおけるカトリック教会のミサに参加するフィリピン人で,それぞれ東京は265名,ソウルは401名である。二カ国間では,フィリピン人の社会経済的属性のいくつかにおいて違いが見られた。例えば,性別の分布,平均年齢,平均滞在期間である。具体的には,男性の割合は,韓国(59.5%)よりも日本(69.6%)の方で有意に多かった。また,フィリピン人の平均年齢は韓国(29.3(±6.0)歳)よりも日本(33.8(±7.0)歳)で有意に高く,平均滞在期間は,韓国(33.1(±21.7)ヶ月)よりも日本(50.4(±31.6)ヶ月)で有意に長かった。 日常生活会話や在比家族の経済的状況については,有意な差はみられなかった。ホスト国における社会的支援に関しては,在韓フィリピン人の方で,在日フィリピン人よりも情緒的,情報的支援を得やすい傾向があった。一方,日常生活ストレスについては,「住環境に関する不満」の項目を除き,有意な差がある項目はみられなかった。 本研究は,日韓におけるフィリピン人の認識する日常生活ストレスのほとんどにおいては,二カ国で差を見なかったが,外国人労働者を受け入れる側としての社会の態勢としては,若干の差があることが考えられた。このことは,人口あたりの外国人労働者数が日本の2倍である韓国において,より外国人との共生が進んでいることを表しているものと思われる。

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