サブストラクションを用いた中範囲理論の構成 : 「静かなお産」の概念を素材として ─

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タイトル別名
  • Development of a Middle Range Theory using Substruction of Levine's Conservation Model to Describe“Calm Delivery”
  • サブストラクションを用いた中範囲理論の構成--「静かなお産」の概念を素材として
  • サブストラクション オ モチイタ チュウ ハンイ リロン ノ コウセイ シズカ ナオ サン ノ ガイネン オ ソザイ ト シテ

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抄録

本研究の目的は,内的・外的環境によく調和した妊婦にみられる「静かなお産」の現象を記述するための中範囲理論を開発することにある。主要な変数とそれらの関係を明らかにするために,Levineの保存原理のサブストラクションを行い,26編の看護学の文献を総覧した。Levineの保存原理から,「エネルギーの保存」「構造上の統合性の保存」「全人格の保存」「社会的統合性の保存」の4つの基体が抽出され,総覧した文献からそれら4基体に関連した22の基体概念が抽出されたが,「エネルギーの保存」「構造上の統合性の保存」「全人格の保存」に関連したものはほとんど抽出されなかった。そのため,5主要概念(社会的支持,両親間の二者関係,環境との調和,家族の機能,世代間の二者関係)をもちいて,「静かなお産」と「社会的統合性の保存」の関係を記述する中範囲理論を構成した。 本研究の結果は,看護学において理論を検証する研究が不可欠であることを示唆している。サブストラクションは,研究の主要な変数を明らかにし,研究の理論的な基盤を中範囲理論に結びつけるための有用な方策である。サブストラクションを用いて本研究で構成した中範囲理論は,「静かなお産」の現象を記述する研究に有用な手がかりを提供すると思われる。

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