生産者支持推定量(PSE)によるアジア途上国農政改革動向分析

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タイトル別名
  • Agricultural Policy Analysis through Producer Support Estimates : Selected Asian Countries 1990-2006
  • セイサンシャ シジ スイテイリョウ PSE ニ ヨル アジア トジョウコク ノウセイ カイカク ドウコウ ブンセキ

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説明

近年のアジア諸国の農業政策は高度経済成長とグローバル化の中で大きく転換を迫られている。WTOなどから貿易障壁や市場介入、国内補助金の削減を求められる一方、国内の消費者からは、食の安全・環境問題など多面的な配慮が要請されるようになった。しかし多くの国では農業政策は複雑で、全体としての受益や負担、あるいは政策の方向は必ずしも明らかでない。本稿はOECDで開発され、先進国の農政分析やモニタリングに活用されてきた生産者支持推定量(PSE) の分析手法を改良してアジアの数カ国に適用し、1990年以降のアジア諸国の農政の動きを定量的・包括的に検証するとともに、政策による政府、生産者、消費者の間の「移転」2のわかりやすい解明を試みた。その結果、対象となった南アジア・東南アジア諸国では、政策改革の動きがPSEにはあまり表れてこないこと、農業保護は依然価格支持によるものが大半となっているが、その水準は高くなく為替や国際農産物価格などの外部ショックに対抗するように動いていること、一部諸国では農業政策が農業者課税から農業者支援へとシフトしていることなどが明らかになった。

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