カイコの腎臓形卵における卵巣(卵)と卵黄のタンパク質

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  • Ovarian and Yolk Protein of ki Mutant in Bombyx mori
  • カイコ ノ ジンゾウケイ ラン ニ オケル ランソウ タマゴ ト ランオウ ノ

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抄録

腎臓形卵系統に分離する正常蚕とki蚕とを用いて卵巣(卵)タンパク質の形成と,胚発生に伴う正常卵とki卵とにおける卵黄タンパク質の動態とについて比較分析した.1.ki卵巣は蛹の中期にかけて発育が進むに従いタンパク質合成能が正常と同様に上昇した.これに伴い卵巣(卵)タンパク質含量が増大するのみならず成分数も正常と同様に増加した.2.胚発生過程において,正常卵では卵内に蓄積された卵黄タンパク質は胚子形成に伴って逐次減少,消失するのに対し,ki卵では部分的な減少は認められるものの卵内に大量の卵黄タンパク質が残留していた.以上の結果,卵形成過程におけるki卵巣では卵黄タンパク質の形成は正常に行われているが,胚発生過程においてki卵は胚組織を構成するために卵黄タンパク質をアミノ酸源として充分に活用し得ない事を明らかにした.

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