円孔を持つ木質部材の破壊強さにおよぼす応力集中の影響

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タイトル別名
  • Effect of Stress Concentration on Strength of Wooden Member with an Artificial Circular Hole
  • 円孔を持つ木質部材の破壊強さにおよぼす応用集中の影響
  • エンコウ オ モツ モクシツ ブザイ ノ ハカイ ツヨサ ニ オヨボス オウヨ

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説明

ヘムロック,合板およびパーティクルボードを用い,その中央に1個の円孔を持つ試験片が引張荷重を受ける場合およびはりせいの面内に静的あるいは,繰返し曲げ荷重を受ける場合について,試験片幅あるいは,はりせいに対する円孔直径の比(ρ/b,ρ/h)を変化させて実験を行ない,円孔の存在による応力集中が部材の強度低下におよぼす影響について実験し,以下の結論を得た.(1) 木材および木質材料のような多層断面を持つ材料においては,その断面構成が円孔試験片の破壊荷重を左右し,その影響は応力集中によるものよりはるかに大きい.例えば,パーティクルボードのように表裏面層に強度の高い層を持つ場合,内層に円孔を明けることによる強度低下はほとんど表われない.(2) 部材が曲げ荷重を受ける場合,ρ/hの増加に伴い部材が圧縮側において破壊しやすくなり,破壊強度が低下するため,引張荷重を受ける場合より円孔が部材の強度低下におよぼす影響が大きくなる.(3) 引張および曲げ試験において,円孔に対する応力集中感度はヘムロックが最も大きく,多孔性材料であるパーティクルボードが最も小さい.合板はその中問的な値を示す.(4) へムロックの定たわみによる繰返し曲げ試験において,試験片の疲労の度合は,載荷方式による応力緩和こ支配されるため,円孔の存在による応力集中が疲労強度におよぼす影響はほとんどみられなかった.なお,以上の実験は木材および木質材料の構造部材としての組立て強度におよぼすボルト穴の影響を明らかにするための基礎実験として行なったものである.

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