雌鶏における膣部注精後の放卵が受精率におよぼす影響

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タイトル別名
  • The influence of time oviposition in relation to intravaginal insemination on fertility of chicken hens
  • 雌鶏における腟部注精後の放卵が受精率におよぼす影響
  • メンドリ ニ オケル チツブ チュウセイゴ ノ ホウラン ガ ジュセイリツ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

供試鶏は白色レグホーン系コマーシャルを用い,精液は16羽の雄からマつサージ法によつて採取し,抗生物質を含むりん酸緩衝液で1.5倍に希釈した.この精液0.05mlを,卵殻腺部に硬卵あるいは軟卵が存在する時期の雌鶏に注入したのち,下垂体後葉ホルモンの筋注によつて経時的に放卵誘起を行ない,その後産卵した卵をふ卵器に入れ(4~5日間)て受精の有無および胚の生死について観察を行なつた.また,注精後から第1卵の自然(正常)放卵が行なわれるまでの時間とその後の受精率との関係についても検討すると共に,^32Pをラベルした精子を用いて注精後経時的に放卵誘起を行ない,3時間20分後における精子の分布についても検索を行なつた.その結果はつぎのごとくである. 1. 卵殻腺部に硬卵が存在する時期に注精し,その直後,1,2,および3時間後に放卵誘起を行なうと,その後産出された卵の受精率は,注精直後の区において著しく低い値を示したが,放卵時間が遅れるにしたがつて回復し,3時間の区では正常の受精率を示すに至つた.卵殻腺部に軟卵が存在する時期についても同様の実験を行なつた結果,硬卵の場合とほとんど一致する傾向がえられた.また,注精後から放卵までの時間(3時間)と受精率との間には直線回帰の成立することが認められた.一方,胚の早期死亡率に関しては,各処理区の間に有意差はなかつた. 2. 注精後その日の自然放卵が雌鶏の受精率におよぼす影響を検討した結果,注精後3時間以内の放卵は,その後の受精率の低下をひきおこすことが観察され,放卵誘起の場合とほぼ一致する結果がえられた. 3. 注精後の放卵誘起が卵管内における精子の分布に影響をおよぼすような傾向は観測されなかつた.一方,例外を除いて,約90%以上の精子が,腔部注精後約3時間以内に体外へ放出される傾向が示された.

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