大島紬におけるシャリンバイの染色性について(I)

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タイトル別名
  • Dyeing properties of Rhaphiolepis umbellata Makino related to Oshima Tsumugi (I)
  • 大島紬におけるシャリンバイの染色性について-1-
  • オオシマツムギ ニ オケル シャリンバイ ノ センショクセイ ニ ツイテ 1

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抄録

大島紬の黒色染料として古くから用いられているシャリンバイ(Rhaphiolepis umbellate Makino)の樹皮からタンニン成分を抽出し,その分子量と染色性との関係について検討するとともに,緑葉からの抽出液についてもその染色性を樹皮と比較した.まず,タンニンの分子量と染色性との関係については,タンニンの分子量を透析によつて,セロハン膜を通過するものと通過しないものとに分けたにすぎないが,染色試験の結果,高分子フラクションの方がより強い黒染性をもつことを知つた.しかし,低分子フラクションでもかなりの染色性はもつているといえる.硫酸鉄処理後の絹布の増加量と染色布の明度との間にはかなり強い相関麗係があり,鉄とタンニンの結合性が染色性の強弱に関係あることが推測される.樹皮に比べると,緑葉中のタンニン量は1/5であるが,タンニン量を一定にすると,緑葉でも樹皮と大差ない程度の黒染性をもつている.しかし,緑葉による染色布の耐候性,耐洗濯性が,樹皮に比べてどうであるかは今後の問題である.

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