ハネケナガツヤコバチのヤノネカイガラムシに対する探索行動と産卵行動 : 4.寄生蜂の葉上滞在時間と被寄生寄主数におよぼす寄主密度の影響

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  • 梶田 泰司
    九州大学農学部生物的防除研究施設天敵増殖学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Searching and Ovipositing Behaviour of Aspidiotiphagus citrinus (Craw), a Parasite of the Arrowhead Scale, Unaspis yanonensis (Kuwana) : 4.Effect of Host Density on the Time Spent by the Parasite on a Citrus Leaf and the Number of Hosts Parasitized
  • ハネケナガツヤコバチのヤノネカイガラムシに対する探索行動と産卵行動-4-寄生蜂の葉上滞在時間と被寄生寄主数および寄主密度の影響
  • ハネケナガツヤコバチ ノ ヤノネカイガラムシ ニ タイスル タンサク コウドウ

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抄録

ヤノネカイガラムシの雌と雄のいずれがハネケナガツヤコバチにより寄生をうけ易いかを明らかにするため,1令中期幼虫の雌または雄のいずれか一方がいろいろな密度で定着しているミカン葉上に羽化後1日目の寄生蜂を1頭放し,探索行動と産卵行動を詳細に調べた.実験は約25℃の恒温室において各密度区につき5回ずつ繰返した.1.寄生蜂の葉上滞在時間は葉あたり密度の増加にともない幾分シグモイド型を描いて増大した.寄生蜂は雄の定着している葉よりも雌の定着している葉に長時間滞在した.2.寄生蜂に発見された寄主数は密度の増加にともない次第に増加したが,高密度ではあまり増加しなかった.寄生蜂は雌よりも雄を多く発見した.3.産卵試行率と産卵成功率は密度の影響をほとんどうけなかった.産卵試行率は雌の方が雄よりも明らかに高く,産卵成功率は雌雄間に大きな差がみられなかった.4.被寄生寄主数は密度の増加にともない幾分シグモイド型を描いて増加した.雌の被寄生寄主数は低密度では雄よりもわずかしか多くなかったが,高密度では雌の方が明らかに多かった.5.雌に対する寄生率は密度の増加にともない,上昇する傾向を示したが,雄に対する寄生率は中間の密度まで上昇し,高密度では低下した.雌に対する寄生率はすべての密度で雄に対するよりも高かった.

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