暖地型イネ科牧草7種の温度に対する生長反応

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  • Comparative Growth Responses of Seven Tropical and Subtropical Grasses to Various Controlled Temperatures
  • ダンチガタ イネカ ボクソウ 7シュ ノ オンド ニ タイスル セイチョウ ハ

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抄録

夏季と秋季にファイトトロンを用い,昼夜恒温の15~33℃ で,導入暖地型イネ科牧草7草種について温度に対する一般的な生育反応と低温感応特性を検討した.1.草丈伸長は25℃ 以上の高温域で大で,温度間差は大きくなかつた.20℃ では伸長抑制されたが,Ns,Bpはその程度が低かつた.15℃ では全草種ともほとんど伸長せず,夏季実験ではDg以外,葉身の黄化がみられた.出葉は30ないし30℃ で最大であつた,2.分げつ発生は草丈伸長,出葉の場合より低温で盛んであつたが,Bg,Sb,Ns,Bpは高温でも分げつ発生が多かつた。3。乾物生産量は30℃ 前後で最人であり,草丈伸長,出葉との相関が高かつた.20℃ では乾物生塵は抑制されたが,その程度はBp,Nsでは低かつた.4.全チッソ含有率は高温域では20℃ より低く,逆にCWCは高かつたが,高温域での温度間弟は大きくなかつた.乾物生産が大であつたGp,Bgは全チッソ含有率が低く,CWCは高い傾向があつた。これらの成分には,乾物の増大,生育ステージの進行が大きく関与しているが,チッソの吸収・同化に対する低温の影響にも草種間差異が存在すると思われる.5.15℃ での葉身のクロロフィル濃度の低下率から,Sb,Rp,Nsは耐冷性が低いことを示したが,他草種の耐冷性の判定は困難であつた.6.暖地型イネ科草種の生育適温は30℃ 前後であり,20℃ は生長可能な低温,15℃ は多くの草種にとつて障害的な低温とされる.7.夏季,秋季の両実験における,とくに低温での生育特性の相異は,処理期間中の日長日射とともに,処理前の温度・光条件の差異にも関係することが推察された.

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