近交系マウス2系統(C57BL/10, DBA/2)における子の成長に伴う母子間関係の変化

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タイトル別名
  • Changes in the Mother-offspring Interaction with Growth of Offspring in Two Strains of Inbred Mice, C57BL/10 and DBA/2
  • キンコウケイ マウス 2 ケイトウ C57BL 10 DBA 2 ニ オケル

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抄録

遺伝的に異なる近交系マウス2系統(C57BL/10, DBA/2)を用いて, 母子間関係の変化を調べ, その変化と子の成長との関わり合いについて考察した. 母子間の関係は, 一定間隔で撮影した8mmビデオ録画により観察し, 同時に子の成長および発育を以下の3つの方法により測定した; 1) 体重および外部4形質(全長, 尾長, 後足長, 耳長)の測定, 2) 外部形態的変化の観察および 3) 2分間の移動距離測定, 結果は以下の通りである. 1. 体重および外部4形質の漸近値は, C57BL/10において大きかった. 外部形態の発育順序には系統間で差異が認められた. またそれぞれの形態的変化は, すべてDBA/2において早期に発現された. 2. 子の巣外での行動は開眼日まで観察されず, 開眼日直後から開始されたそれは, 雌親への接近を目的としているようであった. 3. C57BL/10の子抱き行為を除く保育行動は, 子の日齢増加につれて減少した. 4. 雌の摂餌行動における明らかな系統差は認められなかった. むしろ, 同一系統内に摂餌時間が増加し続けるパターンをとる雌と10日齢移行減少するパターンをとる雌の2タイプが認められ, この差異は子の成長や行動に影響を及ぼした.

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