インド、アルナーチャル・プラデーシュ州の暮らしにおける多様な植物資源の利用と管理
-
- 小坂 康之
- 総合地球環境学研究所
-
- Riba Tomo
- ラジブ・ガンディー大学環境科学学部地理学科
-
- Riba Bomchak
- ラジブ・ガンディー大学環境科学学部地理学科
-
- Riba Jumri
- ラジブ・ガンディー大学環境科学学部地理学科
-
- Saikia Bhaskar
- ラジブ・ガンディー大学生物科学学部植物学科
-
- Tag Hui
- ラジブ・ガンディー大学生物科学学部植物学科
-
- 安藤 和雄
- 京都大学東南アジア研究所
書誌事項
- タイトル別名
-
- Use and Management of a Diversity of Plant Resources in Arunachal Pradesh, India
この論文をさがす
説明
豊かな生物相の存在で知られるアルナーチャル・プラデーシュ州において, 標高に応じた植生帯別に, 住民による植物資源利用を記述した. まず標高900m以下の熱帯林帯と, 標高900mから1800mまでの亜熱帯林帯では, 焼畑耕作民と水田耕作民が, 野生のカルダモンのつぼみ, 野生のサンショウの仲間の葉と果実, 野生バナナのつぼみ, イラクサ科やクマツヅラ科の野草などを食用に, タケやラタンを日用品の材料として採集していた. 次に標高1800mから2800mまでの温帯広葉樹林帯では, 畑作や水田耕作に従事する人々が, 野生のクルミ, グミ, カキなどを食用に, コナラの落葉を畑地のマルチかつ肥料とし, アカネ科の樹木とヤドリギの葉の茶を飲用していた. 標高2800mから3500mまでの温帯針葉樹林帯と, 標高3500m以上に分布する亜高山帯では, 牧畜民がモミを建材に, シャクナゲを薪に, バラ科の果実を食用とし, 家畜は放牧地のイネ科やカヤツリグサ科の草本を食むだけでなく, カシやカエデなどの樹木の葉が与えられることもあった. 熱帯林帯での養蚕, 亜熱帯から温帯林帯にかけての染色と織物, 亜高山帯での薬用植物や香料植物の採集のように, 従来の知識や技術が現在も活用されている事例が確認された. ヒマラヤから日本まで続く照葉樹林帯とその周辺の植物資源の管理のために, 研究者が地域住民や行政担当者と共同して, 有益な情報を誰もが利用できる形でまとめる必要がある.
収録刊行物
-
- ヒマラヤ学誌
-
ヒマラヤ学誌 13 102-112, 2012-05-01
京都大学ヒマラヤ研究会・京都大学ブータン友好プログラム・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所「高所プロジェクト」
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390853649770108544
-
- NII論文ID
- 120005466220
-
- NII書誌ID
- AN10392447
-
- HANDLE
- 2433/186122
-
- ISSN
- 09148620
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可