第一次世界大戦の終結と朝鮮独立運動 --民族「自決」と民族「改造」--

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タイトル別名
  • The End of the First World War and the Korean Independence Movement: Koreans' Reaction to the Principle of Self-Determination
  • ダイイチジ セカイ タイセン ノ シュウケツ ト チョウセン ドクリツ ウンドウ : ミンゾク 「 ジケツ 」 ト ミンゾク 「 カイゾウ 」

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抄録

本稿は, 朝鮮独立運動と第一次世界大戦の終結の関係を考察するものである。1917年にアメリカが連合国側で参戦すると, 朝鮮人活動家は日本の敗戦に乗じて独立を達成するという戦略を諦め, 来るべき講和会議で少しでも多くの権利を獲得する方針に切り替えていく。第1章では, ニューヨークで在米ヨーロッパ人によって結成された弱小従属民族連盟の分析を通して, これに参加した朝鮮人活動家のウィルソンに対する認識を明らかにした。第2章では, 終戦後に民族自決原則が講和会議の議題として浮上するなかで, 朝鮮人活動家がこの原則にどのように対応していたのかを論じた。ウィルソンにとって自決の担い手である「民族(ネイション)」とは, 民主的自治の能力を持つ政治共同体を意味していた。朝鮮人活動家はこうしたウィルソンのネイション観を理解しており, それを踏まえて, パリ講和会議に向けて民主主義国家の運営能力をアピールした。第3章では, 1920年代前半に朝鮮半島で展開される民族改造運動が, 第一次世界大戦経験を反映したものだったことを明らかにした。

収録刊行物

  • 人文學報

    人文學報 110 1-21, 2017-07-31

    京都大學人文科學研究所

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