<論説>フランスサンディカリスム試論 : C・G・T第一次分裂の思想的岐路

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タイトル別名
  • <Articles>Un Essai sur le Syndicalisme Revolutionnaire en France
  • フランスサンディカリスム試論--C・G・T第1次分裂の思想的岐路
  • フランスサンディカリスム シロン C G T ダイ 1ジ ブンレツ ノ シソウ

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抄録

C・G・Tの第一次分裂(一九二一年) は、大戦によって国家権力への認識を新たにしたサンディカリストがボルシェヴィスムの浸透を前にして自らの思想的基盤の再検討を迫られた過程であった。C・G・T・Uを結成した少数派は、内部矛盾をはらみながらもボルシェヴィスムを受容し、政治主義的労働組合運動に活路を求めた。他方C・E・Tと産業国有化路線を提起する多数派は、ボルシェヴィキの中央集権的政治主義を拒否し、労働組合による経済権力への蚕食的志向を明確にしていった。後者の軌跡は従来、改良主義へのたんなる変質として捨象されがちであったが、目的と手段との統一を唱え、労働組合運動の自律と経済革命論に固執するその立場は、むしろ生成期以来のサンディカリスムの思想構造に基く論理的帰結であった。本稿は、さしあたりこの多数派路線の分析を中心に分裂に至る思想的岐路を明らかにし、あわせて大戦前のサンディカリスムとの等質性をさぐることによって、その思想像の一端をも析出しようとする試みである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 58 (3), 363-404, 1975-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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