<論説>中世末期のリューベックにおける市民闘争

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Der Burgerkampf in Lübeck im Spatmittelalter
  • 中世末期のリューベックにおける市民闘争
  • チュウセイ マッキ ノ リューベック ニ オケル シミン トウソウ

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説明

一四世紀末~一五世紀初はドイツ国制史における都市の地位の転換期であり、それは同時に都市構造の変質期でもあったと思われる。いわゆるツンフト闘争は、この時期の都市の政治的、社会経済的な構造の変質に関わる極めて重大な事件であったにも拘らず、従来、かかる観点からその意義を充分に評価されることなく、中世都市史における逸話的事件たるに留められていたといっても過言ではない。本稿では、一四世紀末及び一五世紀初のリューベックにおける、手工業者、商人の市参事会に対する闘争を考察の対象とする。そして、この運動を、この時期の全般的な都市構造の変質から生ずる都市固有の矛盾に対する、広範な市民層の対応、即ちツンフト闘争ならぬ市民闘争として捉え、最終的に、都市構造史におけるひとつの転換期を示す事件であったことを明らかにしたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 59 (3), 416-455, 1976-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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