<論説>懲罰遠征隊 (一九一六―一七年) : メキシコ革命とアメリカ

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Punitive Expedition, 1916-19i7 : The Mexican Revolution and the United States
  • 懲罰遠征隊(一九一六-一七年)--メキシコ革命とアメリカ
  • チョウバツ エンセイタイ イチクイチロク イチシチネン メキシコ カクメイ ト

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説明

一九世紀後半以来メキシコの経済発展に墨米関係は、良かれ悪しかれ、決定的な役割を果たしてきたのであり、現在でもそうである。ディアス時代にかなり従属的な資本主義発展を遂げたメキシコでは、一九一〇年革命によって反米ナショナリズムが著しく高まった。この革命は、西半球におけるアメリカのヘゲモニーへのラテンアメリカによる最初の本格的な挑戦を意味し、殊にカランサ政権は、懲罰遠征隊による武力干渉の下で、輸出産業と銀行制度に新外資政策を実施し、また資金及び軍需品の自給力を強化しようとした。一方、ウィルソン政権は、伝統的な帝国主義を否定してリベラルな資本主義的世界秩序を構築しようとしたが、先進諸国と後進地域との不平等関係のラディカルな変革は欲しなかった。本稿では、第一次世界大戦がメキシコの革命的ナショナリズムと懲罰遠征隊に逆説的に働いたことを明らかにしたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 60 (4), 533-562, 1977-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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