<論説>シュメール都市国家時代最末期ラガシュにおける農耕年視点の確立

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Article>On the Establishment of the 'Agricultural Year' through Pre-Sargonic Texts of Lagash
  • シュメール都市国家時代最末期ラガシュにおける農耕年視点の確立
  • シュメール トシ コッカ ジダイ サイ マッキ ラガシュ ニ オケル ノウコウ

この論文をさがす

抄録

シュメール都市国家ラガシュの支配者妃を頭に戴く組織e-miの耕地経営については、土地制度面に関してかつてP. A. ダイメルによって、社会組織と関連させつつ直営地・割当地・託営地の三範疇論が提示されて社会・経済的研究の基礎がおかれた。しかしこの研究も今日の目から見れば極めて不徹底であり、またアッシリア学・シェメール学全般の急速な発展にもかかわらずこの問題に関しては、着実な実証に基づいた新研究はほとんど皆無である。本稿は、三範疇別に土地経営関係記録を整理した前稿の結果にもとづき、土地経営に関する綜観的視点としての農事暦=農耕年視点の確立を目指し、暦年上二年にわたる耕作年の始期と終期、一耕作年における四検地時期、隔年休耕システムの貫徹の解明を目的とする。このような農業生産上の基本的事実の体系的究明がシュメール灌漑農耕都市国家社会研究の前進の一契機となることが筆者の希望である。

収録刊行物

  • 史林

    史林 62 (2), 165-214, 1979-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ