<論説>中立法制定における「孤立主義者」とローズヴェルト政権の対応

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Ideas of Isolationists and the Actions of the Roosevelt Administration in the Process of the Legislation of the Neutrality Acts
  • 中立法制定における「孤立主義者」とローズヴェルト政権の対応
  • チュウ リッポウ セイテイ ニ オケル コリツ シュギシャ ト ローズヴェルト

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説明

本稿では、一九三〇年代後半のアメリカ外交方針を規定した中立法の制定過程をみることで、この時期の孤立主義の特徴を示していくことにする。従来の研究が示すように、ローズヴェルト政府が海外の紛争に介入して、アメリカが再度戦争に巻き込まれることを懸念する「孤立主義者」が、上院を中心に中立法制定に向けて積極的に行動したのは事実である。しかし、彼らが望む中立法は決して同一ではなかった。また一方、ローズヴェルト政府も、可能なかぎりの外交上の影響力を確保するため、反対勢力の対立を利用しながら、自らも積極的に中立法制定と実施に向けて行動した。このことが、一九三〇年代後半の孤立主義の高まりを説明する際の重要な要因の一つであると筆者は考える。したがって、本稿では、まず中立法に対する「孤立主義者」の考えを三つに分類し、次に、中立法制定の経緯を説明しながら、政府の態度の重要性を示していきたい。

収録刊行物

  • 史林

    史林 75 (3), 291-321, 1992-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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