<論説>「野蛮」の「改革」 : エドマンド・スペンサーにみるアイルランド植民地化の論理

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>Reformation of "The Wild" : Edmund Spenser's Theory for the Colonization of Ireland
  • 「野蛮」の「改革」--エドマンド・スペンサーにみるアイルランド植民地化の論理
  • ヤバン ノ カイカク エドマンド スペンサー ニ ミル アイルランド ショクミ

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説明

一六世紀の「テューダー朝のアイルランド再征服」の過程で生じたイングランド人の「植民」を、同時期のイングランド人の海外進出、とりわけ大西洋北米方面進出の一環として捉える視点に立った研究が、近年、本格的に展開されている。この見方によれば、アイルランドは北米「新世界」と同様の性格をもつ植民地だったということになる。しかし、中世の「アンジュ帝国」の遺産という側面をももっていたアイルランドはいわば「旧き「新世界」」であった。一六世紀後半にアイルランドに入植したイングランド人は、北米よりもよほど複雑な社会的、政治的環境に遭遇せざるをえなかったのである。では、かれらはその環境をどう捉え、いかに対応していったのか。それを、一五八○年代の「マンスタ植民」での「植民請負人」のひとりであった詩人のエドマンド・スペンサーの『アイルランドの現状管見』を手掛かりにさぐってみようというのが本稿の目的である。

収録刊行物

  • 史林

    史林 76 (2), 218-248, 1993-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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