<論説>社会大衆党の国家社会主義と国際政策

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タイトル別名
  • <Articles>National Socialism and the Foreign Policy of the Social People's Party (Shakai Taishu To)
  • 社会大衆党の国家社会主義と国際政策
  • シャカイ タイシュウトウ ノ コッカ シャカイ シュギ ト コクサイ セイサク

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抄録

本稿は、昭和恐慌および満州事変を契機に成立した社会大衆党を取り上げ、国家社会主義の流れをくむ同党の幹部が、内外の危機に規定された一九三〇年代の日本をいかに誘導しようとしていたかを、日本労働総同盟を基盤とした右派との関係に着目しつつ再検討するものである。昭和恐慌を背景に活性化した国社派は、景気回復と国際情勢の展開の中で、右派との対立的な関係を調整し、共同歩調を実現していく。それは、一方では強固な組織基盤を有する右派の優位を示すものであったが、他方で極東情勢の展踊を背景に、国社派の政策構想が支配権を確立する過程でもあった。その間、国社派は極東情勢をめぐって独自の政策構想を提示し、やがて日中戦争が長期化する中で、その構想を全面的に展開するにいたる。それは、右派との決別であり、新体制運動への合流であった。

収録刊行物

  • 史林

    史林 79 (4), 526-558, 1996-07-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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